着るのは大変・・・・でも、脱ぐのはカンタンっ!―十二単―
平安時代の「美」の象徴はなんといっても
十二単 (正式名称は女房装束)でしょうか
特に「女性の憧れ」 (ワタシだけ?)だと思います。
俗に言われる十二単は別に12枚も重ね着した訳ではありませんが
とにかく、沢山重ねて着ます。
まずは単(ひとえ) 、今で言う肌着(ババシャツ?)
白い、袖の短い裏が付いていない絹です。
その上に袴をつけて、また、裏の無い単を着て、小紐で仮留めします。
袴は丈が長くて(長袴)足が見えないのは昨日書きましたが・・・
それから重ね着の開始ですっ
袿(うちき)と呼ばれる衣を何枚も着ていきます。
一枚着ては仮留めしていた小紐を抜いてまた仮留め・・の繰り返しです。
袿を全て着たら交差している衿を一旦解いて
ひとつに取り直して(纏めて交差させる)、
ココまでで普段着の出来上がりっ
そして、袿よりやや小さめで光沢のある
打衣(うちぎぬ)を重ね、
さらに表着(うわぎ)を羽織ります。
この上に丈の短い小袿(こうちき)を装うと略礼装になります。
正装は小袿ではなく、表着よりも袖幅、丈を小ぶりに仕立てた
唐衣(からぎぬ)←コレが豪華 を着け
襞がついたエプロンのような裳を巻き付け
裳唐衣(もからぎぬ)の完成ですっ そのまんまのネーミングじゃんっ
こんなに沢山。しかも、留めちゃぁはずし、また留めて
当然一人で着るのは 無理っ
大体、前後に一人。それとあの、長~~い髪を持つ人と
総勢(?)三名。一人の貴婦人の身支度に三人がかりっ
苦労して着込んだ十二単。寝るときに脱ぐのは又一苦労
と、思いきや
最後に着けた「裳」の紐を取ったら
ぜーーーんぶ いっぺんに脱げるんです
気づきましたか?
着るために使ったのは「仮留め」した紐一本だけ。
最後に裳を着けたらこれも外してしまうので
結んでいるのは この紐だけ・・・・
江戸時代のように長い帯を解くのにクルクル回って
「あ~れ~」何てありません。
紐を解いて、脱いだ沢山の衣を掛け布団代わりに引っ掛けて
オヤスミナサイ です。
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